「社内SEの仕事って大変なんじゃないかなぁ」、「社内SEに興味はあるけど、実際はどうなのか知りたい」と思っている方は、多いのではないでしょうか。
「社内SEは楽だ」と言われることもありますが、実態はそんなことありません。
社内SEに就職や転職をした後に「こんなはずじゃなかった!」とならないように、経験談を知っておくことはとても重要です。
この記事では、現役で社内SE歴10年超えの僕が社内SEの「大変なところ」や「辛いこと」を実体験から紹介していきます。
あなたの社内SEとしての、キャリアの手助けになれば幸いです。
・金融機関の情報システム部門に所属する社内SE
・社内SE歴12年
・システム開発を中心に大規模プロジェクトも経験
社内SEの実態1:スキルが必要
社内SEでは、広範囲に多種多様なスキルが要求されます。
所属する企業で導入しているシステムや技術によって、必要になるスキルは多種多様です。
下記で取り上げるものは一例ですが、時代の流れとともに必要になるスキルはどんどん変化しています。
システム開発・導入スキル
システム開発や導入について、企画から要件定義、設計、運用まで全て実行できるスキルが要求されます。
社内SEの規模によりますが、システム開発や導入について、少人数で行っていくことが多いです。
なので、一人で多くの仕事を実行していくことになります。
プロジェクトマネジメント・ベンダーマネジメント
少数でシステム開発・導入を進めていくため、プロジェクトマネジメントや発注先ベンダーのマネジメントを行うスキルも必要です。
決められた予算内で納期に間に合わせるため、関係者と連携しながら仕事を進めていきます。
コミュニケーションスキル
社内SEの仕事は、多くの人と関わりながら仕事を行うため、コミュニケーションスキルが必須です。
上司や部下だけでなく、他部署の人や発注先ベンダー等、社内外を問わず多くの方々と仕事をしていきます。
例えば、依頼元である他部署の人は、ITリテラシーが高くないため、その人に合った適切な言葉を使用して分かりやすく説明する技術が問われます。また、「システムで何をしたいのか」を上手く聞き出すスキルも必要です。
依頼元から聞いた内容を今度は発注先ベンダーへ「要件」として伝えていく、ベンダーからの情報や質問を依頼元が理解できるよう「翻訳」して伝えていく、社内SEのスキルとしては、一番重要なスキルだと思っています。
社内SEの実態2:就業規則が合ってない
所属する会社が事業会社の場合、その事業にあった就業規則になっています。そのため、少数派である社内SEに合っていないルールになっていることがあります。
就業時間が整備されていない
社内SEでは、システムのメンテンス作業のため、利用者のいない夜間に作業を行うことがあります。
しかし、そのためのルールが存在していないことがありました。
例えば、22時からメンテナンス作業を開始する場合には、その時間までに出社すれば良いと思います。しかし、そもそも22時に出社できるルールが存在していないため、他の社員と同じように朝に出社します。
そのため、勤務時間が24時間を超えるようなこともありました。
評価制度が整備されていない
事業会社では、それぞれの事業に合った評価制度が整備されていますが、社内SE用に用意されることは少ないです。
営業成績等のように、目に見える成果を表現しにくいことが社内SEの特徴かもしれません。
また、システム部門の人以外には成果や仕事ぶりが理解できないという点もあります。
システムに関する専門知識が無い人からすると、社内SEが何をしているか分からずに「システムなんて出来て当然」と考えている人もいます。
社内SEは、利益を生む部署ではなく、お金を使う部署のためあまり評価されづらいこともあります。
社内SEの実態3:人手不足
社内SEに限った話ではありませんが、人手不足による影響が大きいです。
そのため、社内SEの仕事や働き方に様々な影響を及ぼしています。
現状、社内SEにおける一番の課題であると感じています。
一人当たりの仕事量増加
人手が足りていないため、必然的に一人で多くの仕事をこなす必要が出てきます。
多種多様な仕事を行っていくために、広範囲のスキル取得が必要とされ「スペシャリスト」よりも「ゼネラリスト」人材が求められるのです。
システム開発の内製化
近年、社内SEではシステム開発を内製化する動きがあります。
システムベンダーへ発注するよりも、内製化によって自分達で開発をすることで、費用を抑えようという目的です。
しかし、内製化を行うための人員が確保できないため、一人当たりの仕事量が増加していきます。
まとめ:社内SEはやめておけ?
以上、「【社内SEはやめとけ?】現役社員が伝えたい社内SEの実態!」について、解説しました。
楽な仕事というイメージがあるかもしれませんが、実態は色々な課題があります。
しかし、今まで解説した課題も日々改善されつつあり、社内SEの処遇が良くなってきているのも事実です。
社内SEへの就職や転職を希望する方は、本記事を参考にキャリアを築いてみてください。
社内SEの仕事内容について知りたい方は、こちらもご覧ください。